November 02, 2004 12:00 AM統合された製作環境 上「PCを使ってアニメを作ることが重要なのではなくて、すべての素材がPC上という統合された環境で扱えることが重要だ」というようなことを'95年の「攻殻機動隊」発表時に押井守がインタビューで語っていた。 当時はそれがどのようなことを指していて、また自分に直接関係があるのかもよく分からなかったのだが、今ではその意味を身をもって知ることとなった。 この原稿は当然のことながら、PCを使って書かれている。さらに細かく書くと、PC内にインストールされたテキストエディタというソフトとATOKという漢字変換辞書ソフトを使って書いている。アナログで言うところのテキストエディタは原稿用紙にあたり、ATOKは辞書とペンということになる。ATOKには明鏡国語辞典とジーニアス英和辞典、ジーニアス和英辞典が統合されている。統合されているということは、いちいち辞書アプリケーションを起動しなくても、変換時に自動的に意味などを表示してくれる。<原稿用紙、ペン、国語、英和、和英辞書> ATOKに入っていない単語は単体の辞書ソフトを使う。マイクロソフトのブックシェルフ3.0には研究社の新英和中辞典、和英中辞典、三省堂の新明解国語辞典が入っている。<国語、英和、和英辞書> 具体的に写真を見たい情報、例えば「ヤンバルクイナってどんな鳥だっけ」というときは、ツールバーに常駐させてある「エンカルタ総合大百科2005」に単語を打ち込む。これまでは図鑑を調べる位しか手段はなかったし、それも家に図鑑や百科事典が揃えてあればの話だ。無ければ、また図書館に探しにかなければならない。<百科事典、図鑑> また、原稿を書く途中に調べ物が生じたとする。この原稿なら「攻殻っていつ公開だっけ」というような類のものだ。これまでだったら、自室本棚の雑誌のバックナンバーを漁るか、図書館にでも行って調べるしかなかった。書店に行ってアニメ関連の本を購入するとか。もしくは、アニメおたくの友人に連絡を取るか。もし深夜に原稿を書いていたならそこで作業はストップして、翌日まで待たなければならなかった。でも、今ならgoogleなどの検索エンジンに単語を入れれば、すぐにその単語に関する情報が出てくる。情報の確度はそのサイトによって違ってくるが、製作年度ぐらいだったら簡単に分かる。必要な資料があれば、アマゾンですぐに購入することができる。早ければ24時間以内に届く。<雑誌のバックナンバー、図書館、書店、おたくの友人の情報> 原稿執筆するにあたって、取材時に撮影した写真が必要だとする。これまでは、撮り終わったフィルムをDPEショップに持っていってプリントして見るしかなかった。しかも、デジカメのように要らない写真を捨てることもできなかったし、現像代とプリント代共に結構なコストがかかった。また、少し前に撮影した写真なんかは、無くしてしまうことも多かった。<写真、DPEショップ> 取材時にインタビューをテープに録音して来たとすれば、それを聞きながら原稿を書かなければならない。しかし、カセットテープだと頭出しが簡単にはできないし、カセットが溜まってくると管理も煩雑だ。さらには、いちいちポーズボタンを押したりしながら操作するのは大変だ。ICレコーダーを使えば、PCに取り込めるのでメディアは一つしかいらないし、ファイルの管理も日付とかが分かるのでラク、早送り、早回し、頭出しなどもPC上で簡単に操作できる。<カセットレコーダー、カセットテープ> 原稿が完成したら、これまではワープロで書いたテキストデータをフロッピーに入れて、編集部まで持参するしかなかった。バイク便を出してくれる編集部なんてのは、少ない。ファックスでプリントアウトした原稿を送るという手もあるが、それだと受け手の編集者が手で入力するハメになる。だから、例えば月曜の朝が原稿の締め切りで、その編集部の出社時間が11時だとしたら、どんなに遅くても9時ぐらいまで原稿が出来上がっていないと間に合わないことになる。さらには、場所によるだろうけれども1時間ぐらいかけて移動しなければならない場合もあるだろう。また、寝間着のままで行く訳にも行かないから、シャワーを浴びて髭を剃ったりしなければならない。フロッピーを渡すためだけにである。編集部が遠いところにあったとしたら、それこそ半日が潰れてしまう。疲れているし。雨の日なんか外出したくない。それが、今ではメールを使い一瞬で入稿できてしまう。編集部が11時出社なら、10時59分にメールを送信すればいいのだ。しかも、送信した時間はしっかりと送信履歴に記録される。つまり10時59分まで、原稿を書き続けられるということだ。<持参する手間と時間、バイク便> 新しい媒体から仕事を取りたいときにはライターでも営業が必要になる。具体的には職務経歴書みたいなものと、これまで書いてきた雑誌のバックナンバーや切り抜きなどだ。これまでは、そういったものをいちいち切り抜いて保存したり、ワープロで書いてプリントアウトしなければならなかったりしたが、それらの情報をホームページ上にアップしておけばいつでも編集者はそれを見ることができるし、そういった営業ツールをもって編集部に行く手間も省ける。<営業ツール(職務経歴書、雑誌の切り抜きなど)> 原稿執筆中には気分転換も必要だ。というよりも、オレの場合音楽を聴きながらでないと、調子が出ない。これまでは、CDプレーヤーの前にCDを積み上げて、次々とかけていくしかなかった。調子に乗っていないときはそれでもかまわないのだが、執筆のリズムが上がってくるとそれが面倒くさくなってくる。今はほとんどのCDをPCのハードディスクに取り込んでいるので、CDをいちいち取り替えてプレイする必要もない。さらに、原稿を書いている途中に新譜を聴きたくなったら作業を中断して買いに行くしかなかったが、今ではアマゾンですぐに注文することができる。さらに、CDというパッケージではなくMP3データでもかまわなければ、その場ですぐにダウンロードすることができる。また、うざいDJが喋りまくるラジオを聴かなくても、ストリーミングで自分好みの音源のみを聴ける。それを録音したり、CDに焼いたりすることもできる。<CDジュークボックス、レコードショップ、ラジオ、HDレコーダー、CD-Rライター> 一仕事を終えた後にはゲームでもして気分転換をしたい。ゲームマシンをわざわざ買わなくても、フリーでダウンロードできるゲームは沢山あるし、麻雀などはネット上で対戦相手を探すこともできる。<ゲームマシン、ゲーム仲間> 映画が見たければDVDをプレイすることもできるし、ストリーミングで映像を楽しむこともできる。TVチューナー付きのマシンなら、TVを見ることができるのはもちろんのこと、番組を録画しておいて後から見たりすることもできる。<DVDプレーヤー、HDレコーダー> つづく トラックバックコメント
統合された製作環境か。 そうですね。 本当におっしゃるとおりで、奥山さんのようなプロの方は、基と思いますが、私のような素人でも、それが使えるのが、ネットが普及して変ったことだと思います。 Posted by: いし : November 7, 2004 07:57 PMコメントする
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