November 30, 2004 12:00 AM快適音楽生活に隠された影の歴史 3November 26よりつづく どうして、しばらく禁止されなかったかというと、ピア・トゥ・ピアという方式による。これは冒頭でオレが友人からメッセンジャーを使用してファイルを手に入れたのと同じ方式で、自分のマシンと相手のマシンを直接接続して行われる。この途中で音楽ファイルがどこかのサーバーにアップロードされて、それをダウンロードすれば著作権侵害なのだが、ピア・トゥ・ピアはサーバーを介さないで直接やりとりをする。ネット上でマシンとマシン同士が手渡しでファイルを交換しているという訳だ。ネットで見られるのは音楽ファイルのコレクションリストだけで、ファイルそのものがネットにアップされている訳ではない。自分の音楽コレクションのインデックスをネットにアップするだけでは、当然罪に問うことはできない。 言ってみれば、ネット上で自分のコレクションの情報をやりとりして、個人的に貸し借りしているということだ。PCとネットを介しているだけで、基本的にはやっていることは友人同士のCDの貸し借りと変わらないということなのだ。問題なのはその「友人」の解釈の問題で、ナップスター使用すると「友人」がそれこそ世界規模で広がってしまう。それが、個人的な用途によるバックアップの領域、お目こぼしを越えてしまったという訳だ。 実際、最初ナップスターは本当に音楽好きの為だけのプログラムだった。タダで音楽ファイルを手に入れようという卑しい連中の集まりではなく、本当に音楽好きな連中の集う場所だった。共有しているファイルの数で本当に音楽好きなのか、ダウンロード目的の卑しい野郎か見分けが付いたし、持っているファイルの種類でどんな傾向の音楽が好きかが分かったので、地球の裏側にいる人間と好きなアーティストやジャンルについてチャットで会話できたりもした。また、CDのバックアップだけでなく、いわゆるブートレグで出回っていたようなライヴ音源や別ミックスなどのレア音源、廃盤になってしまったアナログ音源なども入手できた。何しろ、地球上に1人でもその音源を持っている人間がナップスターを立ち上げていれば、そのファイルを入手可能だったのだ。 ナップスターはそういう意味で音楽好きにとっては究極的かつ圧倒的なツールだったのだが、その蜜月関係は長くは続かなかった。マドンナなどの有名アーティストのリリース前の音源などが出回るようになり、その違法性のみが注目されてしまうようになった。そうして、ナップスターは使えなくなってしまった。ナップスターでは著作権者にはお金は入らないのは事実なので、アーティストにとってはこれで良かったのかもしれない。しかし、音楽ユーザーとしてはネットを使った新しい音楽の楽しみ方を一つ奪われてしまった。 世の中ではさらに最悪なことが起こり始めていた。コピーコントロールCDの登場だ。その頃にはCDを買ったり、借りたりした後にPCにリッピング(取り込んで)して、PCからファイルを再生したり、シリコンオーディオプレーヤーなどのポータブル・デバイスにコピーして楽しんだりするのが当たり前になっていた。 PCにバックアップをとって家で聴いたり、オーディオプレーヤーにコピーして聴くのは「個人的な用途」以外の何者でもない。さらにコピーコントロールCDは通常のCDよりも音質が悪くなっている上に、CDプレーヤーを傷めるのだ。PCのドライブでの読み込み時にエラーを起こして読めなくしているので、通常のプレーヤー何とか読めるけれどもピップアップ部分に負担がかかるらしく、プレーヤーが早くダメになるのだそうだ。 ちゃんと、正規の代金を払っているのにもかかわらず、ユーザーとしての正統な権利「個人的にバックアップする」「ハイクオリティで音楽を楽しむ」すら剥奪されたら、誰がこんなものを買うと言うのだろうか? 実際に、CCCDになってからは、どんな好きなアーティストのCDも買わなくなった。ユーザー性善説ではなく、性悪説に則って行われたこの方式は、本当に音楽好きな人達をCDから遠ざけることになった。 (つづく) トラックバックコメント
本当に、CCCDになってから私も購入意欲を殺がれました。 デジタルディバイスで音楽を聴く、ってあんまり得意ではなくて、聴くだけではなく楽しむために生音を求めてライブやコンサートに行くことが多くなりました。CCCDはわたしも大嫌いなので買いませんが、音楽の嗜好も流行のものからレイドバックやワールドミュージックに変わってきたので、あまり問題なく購入できます。 以前はコンテンツもツールも最先端がカッコイイと思っていましたが、最近では好きなものを厳選して長く楽しむようになってきました。新しいものを求めて聴きまくっていたころが懐かしいな。自然と耳に入ってくる音だけでも結構いろいろあって楽しんでます。 Posted by: あさ : November 30, 2004 01:18 PM買う価値があると思えばコピーコントロールされていても何枚かは買いました。欲しいCDにCCCDラベルがない時は「そうでないと!」とか少々テンションが上がり、感謝して買います。今のところはコントロールされた音楽はダウンロードし、PCで聴くようになったのでCDでは一切買わないです。 コメントする
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