January 04, 2005 12:00 AMA.D.2005:A NEW HOPE 上新年、明けましておめでとう。 現在、西暦2005年1月3日の午前1時53分。年越しを過ごしたホテルから戻ってきて、今年初めての仕事になる。新年を迎えてもまだ自分が生きていることがうれしいし、何よりもこうして仕事ができるのがありがたい。健康状態は正直言ってあんまり良くない、というより悪いけれども、精神的気力的には人生においてこれまで無かったくらいに充実している。 何しろ、「迷い」というものがほとんど無い状態なのだ、強がりでなく。迷いがないというのは何も「悟った」とかそんなに格好いいものではなくて。もちろん、「覚悟」ができたというのもあるんだけれども、自分の少なくなった選択肢を受け入れられるようになったというのが大きい。つまり、選択肢がほとんど無くなってしまった為に、「迷う」余地すらも無くなってしまったというのが実際のところだ。 本来は悲しむべきことなのであろうが、オレはむしろそれを好意的に受け取っている。何しろ、体力的にも賭けられる手持ちが少ないのだから、迷わずに一番倍率と勝率が高いところに一点賭けするしかない。 その一点というのは、オレの場合「文章を書く」ということだ。若くて健康なときは、映像を作りたい、音楽を作りたい、DJをやりたい、イベントをやりたいといろんなことに挑戦した。病気になってからも、講演会をやったり、テレビに出たり、授業をやったりして少し文章以外のことにもチャレンジした。でも、現在は基本的に文章以外ではあんまり表現したくないし、世間ともコミットしたくない。だから、この間のテレビ出演にも実は直前まで消極的だった。 良くも悪くも自分にはもう文章を書く力しか残されてないことが分かった。それなら、その残された少しの力でできるところまでできるだけのことをやってみようというのが、現在の偽らざる気持ちだ。 人間の欲望なんてキリがない。前にテレビとかでも言ったけれども、70歳まで生きれば、80まで生きたくなるだろうし、1億円貯金できれば1億5000万貯めたいと思うのが人間だ。70歳まで生きたからって急に「オレはもう満足じゃ」なんてことにはならないし、1億円貯金できたから「オレももう十分に金持ちだから、もういいや」なんてことにはならないのだ。70歳で死ぬ人間は71まで生きた人間を妬みながら死んでいくし、1億財産がある人は、1億より少しでも貯蓄のある人を妬みながら生きていくのである。一生。全くもって、キリがない。老人ホームなんかでも、自分の死を受け入れられずに、パニクって訳も分からず死んでいく人が大半なのだそうだ。老人にとっての死ですら、それぐらい突然かつ受け入れがたいものなのだ。 ここまで、2年間たっぷりと自分の死について考える時間、猶予を与えられたオレは幸なのか不幸なのか自分でもよく分からない。もちろん、オレにだって皆と同様に欲はある。一秒でも長生きしたいと考えているし、一冊でも多く本を出したいと考えている。でも、同時にそれが有限であることが分かっている、しかも、ある程度具体的に。 もちろん、小説が一冊出るまでぐらいは最低でも生かしてもらいたいとは思うけれども、最悪明日死ぬって言われてもあんまり後悔は無い。本の出版に間に合わないのは悲しむべき事態だけれども、本を出すために自分はできる限りのことをやっているのだ。諦観っていうほど格好いいものかどうかは分からないけれども、少なくともジタバタはしないだろう。 話が重くなってきたので、口直しに初夢の話題を。ホテルで見た初夢と思われる夢は、クルマの助手席に座っていたら友人からライフルで狙撃される(クルマの窓ガラスのひび割れ方がリアルだった)夢と、タバコの火を押し付けられる夢と、ビースティ・ボーイズのライヴにタダで潜り込む夢と、どっかのリゾートで急流くだりをする夢。 基本的に悪夢だった。「人が話す夢の話ってどうしてつまらないんだろう?」って昔考えたことがあるんだけれども、結論は「夢はあまりにも個人的な体験で他者とはその経験を共有できないから」にまとまった。結局、自分にとってはいくら面白い夢(例えば、空を飛んだとか)でも、他の人達は実際に空を飛んだことがないから、面白さを共有できない。もちろん、空を飛ぶ夢くらいは誰でも見たことがあるだろうけれども、飛び方だって千差万別だろうし、空を飛ぶ夢が楽しいと感じる人ばかりではない。 だから、俺の夢の話も字面は面白いかもしれないけれども、当然読者と経験を共有することはできないから感情移入できず、面白い話にはならない訳だ。結論としては、他人にはあまり夢の話をしない方がいいということ。退屈なことになるのは免れない。 つづく トラックバックコメント
あけましておめでとうございます! 今年一年奥山さんにとって、みんなにとって幸せな一年でありますように! Posted by: もも : January 4, 2005 10:47 AM急に死んでしまう病より、ある程度時間を与えられたガンになったことは幸か、不幸か自分にもわかりませんが少なくともお年寄りがポックリ逝きたいと願うのは理解できない。 そういえば去年コレド日〇橋で「良い夢を観られる装置」的商品が売られてました。 すい臓がんで亡くなった母は、父が告知を拒んだので知りませんでした。末期の頃は感じていた様ですが、亡くなる三日前まで普通の生活をしようと頑張ってました。リンパ浮腫で足が腫れて歩けなくなってきても足を持って階段を上ったりしていました。最後まで現役はカッコよかった。亡くなる一週間前に皆で会食して来年の話して眠るように亡くなり、、。私や家族はもっとしてあげたいこときり無く有りましたが、どんなにしてあげてもコレで良いなんて思わないよと言われ、彼女を忘れずいつも思い出していることが喜ぶのだと思うようにしています。奥山さんはこうして沢山の人達に心配していただいて現役でいてくれる事がどう生きるかという意味の方が大切なのだと感じます。優しい人に囲まれて家族の中で唯生きていくことは私もイヤです、私も明日どうなるか判りません。転移してしまうと乳がんは早いそうです。母のように最期まで現役で与えられた日まで生きますよ。笑いながら、ね! Posted by: ガンだもん : January 4, 2005 12:55 PMそう そう そうなのよ。 私も2年前告知されてからは、時間との競争だぁ と遊びまくって(変な遊びじゃないょ) いっぱい旅行して買いたいものバンバン買って、 自身の辛さは自身しかわかんないし、とか私の不幸であなた達は自分の幸せを感じてるんだろ、とひねくれながらも、いろいろ思いつつ、 で少しずつ少しずつ覚悟できてきて・・。 一条の希望と深海の不安の間を彷徨いつつも、日々過ごしてます。 明けましておめでとうございます! 自分のも含めて気になる人の夢なども、ヘンな夢だなーと思ったらこっそり夢診断してみるのがスキです。 なんかいろいろと考えさせられましたよ。確かに人間はどんどん欲に欲が積み重ねられていくもので。あたしもその一人なわけで。 ところで、確かにあたしもなんで人の夢の話ってつまらんのかと思ったことがあったから奥山さんの話に共感しました。確かにそうだよなぁ〜。べつに同じ夢自分か見て、その場にいたわけじゃないし。でもライブにただでもぐりこむってのは楽しそう!!あたしは飛んだ夢みた。なんか訳もわからずセーラームーンの格好して、保育園みたいなとこの庭で敵から逃げる手段として飛んでた。今つまんないと思ったでしょ!!!笑 まぁ、すごく長くなってしまったけどとりあえずいいたいのは奥山さんが生きててくれてよかったとゆうことです。来年も奥山さんのあけましておめでとうが聞きたいです。
彼氏と、正月の特番を観ても うちのおばあちゃんは昨年夏にガンで亡くなりました。 っていうことを、また思い出しました。 人が話す夢の話がつまらないというのは同感ですが 今年の初夢は 今年も毎日読みに来ます。 Posted by: うしくん : January 4, 2005 10:19 PMとても凛々しく 美しいです。 奥山さん、あけましておめでとうございます。 夢の話、納得しました。 奥山さんにとって良い年になりますように…。 Posted by: めぐ : January 5, 2005 01:08 AMおめでとうございます。奥山さんの新年の書き込みを拝むことが ・・・こんな奴もおりますのでぜひ今年も色々なメディアでご活躍 なんかうまく表現できませんが、僕の中にははっきり奥山さんのメッセージが刻まれてますよ 日々あたりまえの生活を送ることができることに感謝できるのも奥山さんのおかげです。 Posted by: オオワキケンジ : January 5, 2005 05:24 PM「他人の夢ほどつまらないことはない」って清少納言も枕草子で書いてました。でも他人の夢の話、私はとても好きです。普段はわからないその人の一面を見るような気もしています。 Posted by: TT : January 6, 2005 09:39 AM他人の夢の話がつまらないのは、オチがないからでしょう。 話し変わりますが、国営放送ってNHKの事ですかね? >NHKは国営じゃなくて民間ですけどね。 ユメ。わたしはは大がい極彩色です。精神状態にぴったりの 「ブレードランナー」から「イノセンス」まで観てみると、ユメと どうせこんな下のほうの書き込みは大して見られることもない コメントする
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