April 05, 2005 12:00 AM

歴史アレルギーな男 上

「歴史」アレルギーだった。

「時代劇」アレルギーだったと言いかえてもいいかもしれない。テレビでチョンマゲや悪代官、チャンバラが出てきたらすぐにチャンネルを変える。歴史ドキュメンタリーや歴史クイズ、時代劇映画の場合も同様だ。

西洋化された日本文化ならば大丈夫なんだけれども、着物とか浮世絵とかそういうもの全般がダメで。それは、日本の歴史だけに限らず、西洋の歴史物、ギリシア文明やエジプト文明などとにかく歴史関係なものは全てシャットアウトしてきた。

デジタルカメラの画素数に一喜一憂し、グラフィックボードの二枚差しに胸を躍らせるような生活を送っているからだろうか? もうとにかく、基本的に新しい物好きなのである。品物が2つあったら、迷わず新製品の方を買ってしまう人間なのだ。新しい=正しいということを根っから信じ込んでしまっている人間なのである。

それに対して「歴史」は全く逆の命題を突きつけてくる。「過去に学べ、過去の人達に学べ」ということだ。もちろん、人間の進化なんて数十万年単位だろうし、新しく生まれてくる人達の方が優れているなんてことはもちろん無い。

そんなことは分かってはいるのだけれども、どうしても過去に起こった出来事より今起きている出来事との方が気になるのだ。

もっと、分かりやすく書くと、単純に歴史の成績が悪かったというのもある。何しろ、歴史の授業には「計算」も「公式」も「化学式」も存在しない。あるのは年号と出来事の羅列だけだ。それを片っ端から覚えて、覚えた量に応じて得点がもらえる。人の記憶がPCなどの出現によって、どんどん外部で為されるようなっているのになんて時代遅れなんだろう。また、歴史の先生も退屈であった。彼らがもう少し語り部、ストーリーテラーとして楽しい存在であったら、歴史にも興味を持つことができたかもしれない。

実際には眠りをこらえるのが精一杯という有様であった。さらには、自分自身が理系だったというのもあり、歴史などの教科を思い切り軽んじてしまっていたという事情もある。小中高のうちでひとつぐらい、歴史物で優れた作品に当たっていれば、また考え方や環境も違っていたと思う。少なくとも、ここまで無関心にはならなかったはずだ。

実生活において、少なくともオレの置かれている環境においては、こういった「歴史コンテンツ」を全く無視しても生活できるはずだった。

それは別に野郎だからといって、全員がポルノを見なければならないわけでないのと同じことだ。

この「歴史アレルギー」が破られる兆候は実は少しずつ見えていた。NHKで放送していた「新撰組!」を観ていても、それほど不愉快な気分にならないで済んでいたのだ。理由はよく分からない。若い俳優が沢山出ていたからだろうか? もちろん、映っているのをたまに観ていた程度なので、作品に関してはどうこう言える立場でない。

でも、これまでのように「チョンマゲが映っただけで、チャンネルを変える」という状況から変わったのは間違いない。理由はなんだったのか? 自分でも正直うまく答えられないと思うのだが、簡単に書くと歳をとって丸くなったのだろう。

積極的に受け入れる環境が整ったというのではないが、見つけたところから排除するような過激さは少なくとも無くなったということだ。

そうして、ある決定的な変化が訪れた。ガンエヴォその他にも時々登場するのだが、オレには10歳年下の「秀君」という弟がいる。彼とは10歳も年が離れているのだから、話や趣味に共通点が見つけられないのでは? と心配されるかもしれないけれども、実際にはその逆で音楽の趣味も一緒だし、お互いゲーム好きだったりと、あんまりそういった年齢的趣味的なギャップを感じたことはなかった。

つづく

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コメント

またまた 来ました そういう考え好きですね 頑固な感じ 信念をもっても たまには打ち砕かれる そんなんいいよね 逆に新鮮だし 新しい自分が見えてくる。

Posted by: N谷がいく : April 5, 2005 11:06 AM

僕も日本史、世界史大嫌いでした。時代劇も勿論見てません。
「ある決定的な変化」とは何か?どう変わったのか?先がとても気になります!!

Posted by: gusuke : April 5, 2005 01:16 PM

三国志? 実は内容知りましぇ〜ん(恥)
いい大人になってから教養として歴史は楽しいな、と徐々に思えるようになりましたよ。
室町〜元禄文化、日本人の美意識のすごさ。

テレビでやってる時代劇(特に民放)はホントにダルいじゃん。「渡る世間〜」と同じようにキライ。
それでも大河ドラマは見てしまうんだな。

Posted by: TOM : April 5, 2005 01:51 PM

こんにちは。私は、結構、歴史物は好きですよ。特に、幕末とか。話にもあった、「新選組!」は全話見ましたが、最高でしたよ。あと、アニメで「サムライチャンプー」とかが面白いですね。このアニメは、歴史物と言っていいのか分かりませんが。

Posted by: ムゲン : April 5, 2005 04:14 PM

奥山さんのエッセイを拝見して、全く同感だったので嬉しいです。私も「歴史アレルギ−」と「演歌アレルギ−」でしたから。新撰組位あたりからチャンネルかえずに、そして演歌をきく気持ちがわかった気がして昔みたいに排除しなくなりました。(^_^;)まだ20代なのに。。。あと兄弟って違う人格で理解しがたいようにみえても、年齢がすご〜く離れていても趣味とか発言とかどこか似ている部分が不思議とありますよね。私も姉みたいになりたくないって思っていたのに、不思議と最近気があいます。(笑)告白しますと私は隠れ奥山ファンです。真っ直で、飾らず、苦悩をかかえても前だけみてひたすら走りつづける。生き続けるあなたを見て、生きて死ぬ意味が分からなく自分の存在なんていらない気がしてひきこもっていた私に奥山さんが扉を少しひらいてくれました。会ったこともないけど、ちゃんとお礼がいいたかった。人と人はちゃんとつながっているんだね。ありがとう。これからも応援しています。


Posted by: 花 : April 5, 2005 04:28 PM

わぁ、「新選組!」みてたんですか。
あれの最後にでてくる謎なCGキャラは
自分がやったお仕事なんすよ。

NHKと折り合いつかなくて、本来は2ヶ月おきの
アニメーション更新だったのが最後までアレで押し通しましたね。

三谷幸喜ファンなので、「新選組!」は結構毎週見てました。

Posted by: うもりも : April 5, 2005 06:14 PM

私も、「竜馬が行く」や「新撰組」など幕末物から歴史や時代物が好きになったクチです。
それによって、今こちらでもよく言われている、「奥山さんってサムライだね〜」というフレーズは、困難な時代を必死に駆け抜けてきた侍たちの生き方とダブるところがあり、とても納得しています。
私もそんな生き方ができたら・・・と切に願っています。

歴史物ですが、私は、その人の背景と、その中で主人公たちがどう成長し生きてきたかについて書かれてある自叙伝や小説を読むのが好きなので、
そういう意味では、奥山さんの作品も、充分に歴史物と言えるのでは?と感じています。
ヴァニポ、とても期待しています!

Posted by: kisuke : April 5, 2005 06:57 PM

私も学生時代、歴史のみならず、
学校の授業を真剣に聞いていなかったので、
今頃になってもっと勉強しておけばよかったと
痛感しています。
歴史に関して言えば、自分の国のことぐらい
知っておきたいなぁと思うようになりました。

Posted by: きなこ : April 5, 2005 09:49 PM

歴史私もだいっきらいでした。ほんまにまさにアレルギーです。
いい国作ろうってそこまでして覚える必要あるん?みたいな。
いまも別にあまり進歩はないですが京都に住み始めて20歳からだから10年。最近になってお寺や神社に行くようになって、かといって歴史は好きにはなりませんが建築(らんまとかふすまの絵とか石垣とかこれってどうやってつくったん?って思う)とかお庭(これはこの間現代アートとの融合ってイベントをやってたんだけど融合できてなくって笑ったけど)を見ているとすごく癒されるし『あー何十年も何百年も前に作られたんやー』って思うと色んな想像(想像っていったって歴史のベースがわかってないから空想に近いけど、、、。)をしたりして不思議な気持ちになります。だってこれだけの年月人々が『うん!これは必要だから残そう』って思い続けたんだからこれってやっぱり物凄い芸術品なのねとか。だから最近は歴史のあるものを見るのが好きになりました。歴史繋がり?かわからないけどピカソとかってやっぱすごいんか?とか思いだしてマンガのピカソ解説本を買いました。結果すごいかどうかはわからなかったけど残るということは素晴らしかったのだということはわかりました。

Posted by: emi : April 6, 2005 12:03 AM

同じ事を考えている人っているんだなー、っていつも奥山さんのコラムを読むたびに嬉しく思います。
歴史嫌いの私でした。高校時代に世界史で赤点をとってからというもの、
映画でフランス人が胸をしめつけるドレスを着ているだけで、苦手〜と、目をそむける感じで。
4年前にエジプトを訪れてから少しずつ歴史アレルギーが
緩和されてきたかな、という感じですけれど。
私も歳をとって受け入れ態勢ができてきた感じで。
続きがとっても楽しみです。いつも応援しています。

Posted by: miya : April 6, 2005 12:39 AM

同じ事を考えている人っているんだなー、っていつも奥山さんのコラムを読むたびに嬉しく思います。
歴史嫌いの私でした。高校時代に世界史で赤点をとってからというもの、
映画でフランス人が胸をしめつけるドレスを着ているだけで、苦手〜と、目をそむける感じで。
4年前にエジプトを訪れてから少しずつ歴史アレルギーが
緩和されてきたかな、という感じですけれど。
私も歳をとって受け入れ態勢ができてきた感じで。
続きがとっても楽しみです。いつも応援しています。

Posted by: miya : April 6, 2005 12:40 AM

この記事を読んで、私と一緒だ!と思いました。私も歴史アレルギーでした。周りには、好きな教科は歴史っていう人多くて、そんなに面白いかなって思って、先生の話を真剣に聞いてみようと努力するんだけど、どうしても興味が持てませんでした。興味が持てないから覚えられない→成績悪い・・・そのまま大人になって、周りが歴史の話をしてると、ついていけない事があります。でも、20歳を過ぎた辺りから、過去にどんな事件や出来事があったのか、自然と興味がわくようになりました。私は何歳になっても、新しい発見を楽しみたいし、勉強したいという考えです。受験で必要だから仕方無いという事もあるかもしれないけれど、中学や高校で無理に勉強しなくても、興味がわいてから勉強すれば楽しいのに、と思う今日この頃です。

Posted by: izumi : April 6, 2005 03:59 AM

大河ドラマにはまってからは、少しずつだけれど見る様になったかな。カッコいい☆

Posted by: ミント : April 6, 2005 04:35 AM

私も新しいものが好きです。
古い車をリストアして乗る。
それが、理解できないのでした。

歴史は、ネアンデルタール人くらいまで。
その辺までは、興味を抱けるのですが、その後は、国という概念が出てきて、急につまらなくなる。
これじゃ、歴史そのものがつまらないと言っているに等しいですね。
サルから人にどうやって進化したか。
そっちの方が、断然面白いと思うのでした。

Posted by: gotohell : April 7, 2005 02:32 AM

確かに先生がストーリーテイラーのようだったら
楽しかったかもに共感しました。

私自身は今も歴史は嫌いなのですが
もうちょっと丸くなれば奥山さんのように
歴史を楽しめるかな(笑)

Posted by: メグ : April 7, 2005 08:35 PM
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