2004年11月14日

嘉義県水上→台南県新営 旅心(たびごころ)

 「君は日本人?なんでこんなところを歩いてるの?」省道1号線を新営に向かって歩いている時のこと、スクーターに乗った男の人が突然声をかけてきた。それが段先生だった。「歩いて台湾一周?!台北から台南まで歩いて来た?そりゃ面白い!ぜひ話しを聞かせてよ。僕は学生時代に自転車で台湾を一周したことがあってね。でも歩いて周ろうとは考えたことさえなかったよ。」
段先生は台南県の安渓小学校の先生をしていて、今日はちょうどジョギングのためにここまでやって来たとのこと。
「いやあウチの家内とケンカしちゃってねえ。家に居ヅライから飛び出してきたんだけど、まさかこんなところで君みたいな日本人と会えるとは思わなかったよ。」段先生はとにかくよくしゃべる。結婚して一年になること。今は小学校で教鞭をとる傍ら、社会学の博士課程にいること。旅好きで何度も中国大陸を訪れていること。来年は自転車で中国を旅しようと計画していること…。気がつけばあっという間に5キロ以上話をしながら一緒に歩いてしまった。彼も僕も同じ種類の人間なのだ。心の中に「旅心」(トラベルマインド)ともいうべき漂泊の思いが常に心の中に息衝いている。
「西海岸は歩くのはラクだけど、問題は屏東県から宜蘭県までの東側だよ。いくつか難関があるから、後でポイントを教えてあげるよ。」自転車で台湾を一周したことのある段先生からのアドバイスは願ってもないチャンス。土砂崩れや交通事故が多発する危険な場所が多い東側ルートの徒歩の旅には大きな不安を抱いていたのだが、段先生の登場で前途が急に明るくなってきたような気がした。


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1933年に造られた嘉義駅。昨日のゴール地点である嘉義県水上までは電車に乗って戻ることにする。


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駅構内に掲げられた「空襲時の避難ルート」を示す地図。
そういえば10年前はよく空襲避難訓練とかやってたけど、最近はやってないんだろうか?


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韓国DAEWOO社製の電車。DAEWOOって車のメーカーだとばかり思ってた。


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長閑な鈍行電車に揺られ嘉義県水上へと向かう。


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交通量の多い省道1号線を歩くのに飽きたので、細い農道を歩く。
長閑な田園風景が延々続く。


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再び省道1号線に合流。新営まであと11キロ。


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省道1号線に沿って咲く「羊蹄甲」の花。


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ネズミ捕りに捕まった運の悪い車。


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15時。映画のセットのような木造の小さな駅舎「後壁駅」で小休止。


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「乗っていきなよ!」車に乗った家族連れが声をかけてくれた。
歩いて台湾を一周しているので車には乗れないと伝えると「これ食べて頑張ってね!」と大きなグァバを2つ手渡してくれた。
優しい心遣いに思わず涙が出そうになった。


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安渓小学校の段先生。日本の俳優で彼にそっくりな人がいるんだけど名前が思い出せない。
偶然傍を通りかかったのが縁で、新営までスクーターで伴走してくれた。
「昔はもっと痩せてて自転車で台湾を一周したりしてたんだけどなあ。」


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新営まで僕の伴走をしてくれた段先生が別れ際に詩を詠んでくれた。


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僕の名前を使って詩を作ってくれるあたりがクール。


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18時。新民小学校着。


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新民小学校の外壁に掲げられた「麻薬を拒否しよう」という横断幕。
「HIGH(ハイ)」と「害(ハイ)」がちゃんと韻を踏んでる。
「ハイになりたいだけで、自分を害する(傷つける)な。自分を大切にして麻薬を拒絶しよう。」
小学生に対するメッセージにしてはかなり過激。


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夕食後、林校長の息子の冠延君と夜市へ繰り出す。
金魚すくいは日本と同じ。


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ピンポン玉を投げてワクの中に入れることができると点数に応じて賞品がもらえるゲーム。


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日本の味発見!台湾でも大人気の章魚小丸子=タコ焼き。


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22時。
段先生が約束通り新民小まで僕を訪ねて会いに来てくれた。
危険なルート、東海岸に住む彼の友人などを紹介してもらう。
旅にまつわる話をしているうちに気がつけばもう日付が変わっていた。

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